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O/Nの免疫沈降 トピック削除
No.160-TOPIC - 2009/03/10 (火) 11:03:15 - 老化
免疫沈降をO/Nで行ったというの散見しますが、皆様はこれについてどうお考えですか?私は、
1. 非特異的吸着の機会が増加する。
2. タンパク質の分解の機会が増加する。
3. 長い時間やっても数時間の場合と比較してそれほど効率が改善しない。
と思っておりますが(すべて実験で試したわけではありません、特に2などは想像です)。この観点から私は長時間の免疫沈降をあまりやりません。皆様で「実際そうしている、そんなことない」等のご意見を聞かせて頂けますか?沈降させたものの酵素活性を見るなどの場合は、今回は除外してそのままSDS-PAGEする場合(含CO-IP assay)でお願いします。
 
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No.160-33 - 2009/05/01 (金) 15:24:08 - でん
短時間の免沈のメリットとして以下の文献があります。
Molecular & Cellular Proteomics 4:1933-1941, 2005.
Fluorescent Proteins as Proteomic Probes
複合体の解析を行うにあたって、短時間でCo−IPを行わないとターゲットの種類によってはどんどん解離していき見たいものが見れなくなります。
当然長時間安定な複合体もありますのでケースバイケースですが長時間インキュベートするデメリットは大きいかと思います。
このグループのデータではインキュベーション時間の増加による非特異結合の増加も示されています。

(無題) 削除/引用
No.160-32 - 2009/03/15 (日) 00:40:43 - りょう
>[Re:30] 教えて下さいさんは書きました :
> 免疫沈降(自然な沈降物形成でなくてビーズ使用の方なので本当は免疫沈降とは言わないかもしれませんが、これまでの話の流れでとりあえずいいかなと思い以下そう書きます)で4C,O/Nでやってたものです。インキュベーション2時間くらいもやったけどダメでO/Nにしたらうまくいったのでそうしてました。コントロールには同一条件でnormal IgG-protein A beadsを使用しています。塩は主に0.15M NaClで非イオン性界面活性剤、プロテアーゼ阻害剤、脱修飾酵素阻害剤入れてます。プレクリーニングは45分やってます。Westernで抗原蛋白質がAb-protein A-beadsの溶出画分の方のみに検出されクマシーでもやや薄いけどバンドは見えました。トリプシン消化+LC/MSやったら抗原蛋白質のペプチドがたくさん同定されました。コントロールでも対応する部分を切っておなじようにMSにかけたけどその蛋白質は検出されませんでした。目的は修飾の同定でこれで修飾の有無と部位はわかって、うかつにも次ぎに進んでたのですが、ここを読んでO/Nでないとできないということは疑ってかかる必要があることをはじめて知りました。じぶんではコントロールの方には無いし、蛋白質も同定されたので私も周囲も蛋白質化学は詳しくないゆえにWBとMSのデータのみで安易にこのIPをOKとしてしまってたのです。それゆえ周りの人にいってあのIPは蛋白質化学の世界では通用しないのでもう一度検討すべきといっても理解されず先に進めることばかり言います。こういう状態つまりO/NでようやくIPできましたなどと論文に書いたら受理されないのは明らかと思い、なんとか1時間以内(最終的には15分以内を目標にしてます)のIPを目指して再実験してますがうまくいきません。コントロールには抗原蛋白質はないこと、また抗体反応は数十分以内で完了することを考え合わせると、O/Nでは抗体と抗原が本来の抗原抗体反応以外のなにかの相互作用で結合したとしか考えられないのですがそれはなんなのでしょうか。原因がわかるかたいましたら教えて下さい。
>

かわいそうな迷える子羊さんが一人、人工的に生み出されてしまいました。
あなたのO/Nの実験にはコントロールが取られており、問題はないでしょう。
実験的に証明していくのが研究ですから。
極端な事を言いたがる人がいますが、今もなお世界的なスタンダードとしてO/Nは通用します(論文にも正直にO/Nとmethodに記載しておけば良いのです)。今後もあなたが研究を続けている間には変わらないでしょう。
O/NのIPで得られたデータの成否は、他の側面からのアプローチで追求すべきでしょうし、今後のあなたの関連実験で自ずと成否が理解できるのではないでしょうか?
私も数時間からO/Nの幅を振ってIPしていますが、このやり取りを見ても15min-1hでやろうとは思いません。
強制発現蛋白を優れたタグ抗体でIPしてWBで検出するだけなら15minでやってあげても良いですが。

(無題) 削除/引用
No.160-31 - 2009/03/15 (日) 00:33:43 - 通りがかり
> 免沈には解離速度定数の小さい抗体を選んでます。
> ただし、KdがnMとかアフィニティが良すぎるのは免沈用には逆に使い難い。

ふむふむ、参考になります。
解離速度定数が小さくて Kd が小さすぎないとすれば、結合速度定数もまた小さめ、つまりくっ付き方もゆっくりと言うことになりますね。それでいて反応時間は短めと言うことは、平衡近くまで達することは求めないという理解でよろしいでしょうか?

以前の免沈屋さんの書き込みですが、
> Sを稼ぐよりS/Nを稼ぐことを考えれば、短時間反応にメリットありです。
とうことで、S/N 比を重視して S の絶対値は重視しないと言うことなら、一般的に短時間反応で充分というのも理解できます。ただ、これは実験の目的によって優先順位は違ってきますよね?

ちなみに、解離速度定数の情報はどうやって手に入れておられるのでしょうか?メーカーが公表しているのは見たことがないですが、やはり自分で実験して決めるしかないのでしょうか?

> 検体と数時間反応させた担体はタンパク質が非特異的に吸着したオーバーブロッキング状態で、抗原抗体反応の反応性はほとんど失われています。

この辺は検体が何かによっても違うのでは?
検体が血清なら60~80mg/ml の蛋白が含まれているわけで、ウェスタンのブロッキングに使う 5% BSA などと同レベルですからオーバーブロッキング状態になるのもうなずけます。しかし検体が細胞などのライセートの場合、プロトコールにもよりますが、通常はそれより一桁か二桁少ない蛋白量しか含まれていませんので、話は違ってくると思います。もしその辺の検討をされたデータや文献をお持ちなら、詳細を教えていただけると助かります。

(無題) 削除/引用
No.160-30 - 2009/03/14 (土) 22:52:03 - 教えて下さい
免疫沈降(自然な沈降物形成でなくてビーズ使用の方なので本当は免疫沈降とは言わないかもしれませんが、これまでの話の流れでとりあえずいいかなと思い以下そう書きます)で4C,O/Nでやってたものです。インキュベーション2時間くらいもやったけどダメでO/Nにしたらうまくいったのでそうしてました。コントロールには同一条件でnormal IgG-protein A beadsを使用しています。塩は主に0.15M NaClで非イオン性界面活性剤、プロテアーゼ阻害剤、脱修飾酵素阻害剤入れてます。プレクリーニングは45分やってます。Westernで抗原蛋白質がAb-protein A-beadsの溶出画分の方のみに検出されクマシーでもやや薄いけどバンドは見えました。トリプシン消化+LC/MSやったら抗原蛋白質のペプチドがたくさん同定されました。コントロールでも対応する部分を切っておなじようにMSにかけたけどその蛋白質は検出されませんでした。目的は修飾の同定でこれで修飾の有無と部位はわかって、うかつにも次ぎに進んでたのですが、ここを読んでO/Nでないとできないということは疑ってかかる必要があることをはじめて知りました。じぶんではコントロールの方には無いし、蛋白質も同定されたので私も周囲も蛋白質化学は詳しくないゆえにWBとMSのデータのみで安易にこのIPをOKとしてしまってたのです。それゆえ周りの人にいってあのIPは蛋白質化学の世界では通用しないのでもう一度検討すべきといっても理解されず先に進めることばかり言います。こういう状態つまりO/NでようやくIPできましたなどと論文に書いたら受理されないのは明らかと思い、なんとか1時間以内(最終的には15分以内を目標にしてます)のIPを目指して再実験してますがうまくいきません。コントロールには抗原蛋白質はないこと、また抗体反応は数十分以内で完了することを考え合わせると、O/Nでは抗体と抗原が本来の抗原抗体反応以外のなにかの相互作用で結合したとしか考えられないのですがそれはなんなのでしょうか。原因がわかるかたいましたら教えて下さい。

(無題) 削除/引用
No.160-29 - 2009/03/14 (土) 21:54:50 - 免沈屋
免沈には解離速度定数の小さい抗体を選んでます。捕まえた抗原を離さないやつ。でないと、洗浄工程でロスしてしまうので。(ELISAなんかやるときは標識二次抗体との反応中に解離しないために重要であるという面もあるし)
ただし、KdがnMとかアフィニティが良すぎるのは免沈用には逆に使い難い。溶出が困難になるので、きつい条件で溶出すると非特異吸着したタンパク質まで溶出されてしまってS/Nが悪化する。

かといって、抗体の結合速度定数が小さければ免沈の処理時間を長く設定すれば良いというのは違います。ウエスタンブロットの際の膜のブロッキングで、オーバーブロッキングというのを知りませんか? 一次抗体を結合した担体を先入の場合ですけど、検体と数時間反応させた担体はタンパク質が非特異的に吸着したオーバーブロッキング状態で、抗原抗体反応の反応性はほとんど失われています。

(無題) 削除/引用
No.160-28 - 2009/03/13 (金) 21:05:39 - 通りがかり
> 一般にIPに使える抗体は、Kd (dissociation constant)が10^-8 M 以下のaffinityであることが必要と言われてます。
> Kd = 解離速度定数/結合速度定数なので、high affinityな抗体とは、結合が速くて、解離が遅いということです。

これは違いますね。
お書きの式の通り Kd は速度定数の「比」ですから、「結合が早くて解離がまあ遅い」な抗体でも「結合が遅くて解離がずっと遅い」抗体でも、その速度定数の比が同じなら同じアフィニティになります。ですから

> IPに使える程度にhigh affinityな抗体は、結合が速くて1時間もあれば十分。逆に結合に数時間以上かかるlow affinity抗体はそもそもIPに使えない。

は理論的に筋が通りません。

(無題) 削除/引用
No.160-27 - 2009/03/13 (金) 20:49:54 - 通りがかり
本文を読んでもらうのが一番早いのですが、普通の displacement 実験なので dissociation time constant が値として出てきています。これから association rate constant も計算できて、

抗体:dissociation time constant (min):estimated association rate constant (10^5*M^(-1)/sec)
A : 2.1 : 2,2
B : 410 : 0.029

となっています。

また、実際に結合速度を直接測定もしていて、上記と同様の結果が出ています。アブストにも Directly measured association rate parameters agree with values calculated from measured equilibrium and dissociation rate parameters. と書かれている通りです。実データのグラフを見ても、抗体Bの横軸は10分単位、抗体C(dissociation time constant 8 min)の横軸は20秒単位で同じような曲線になっており、抗体Bの結合が遅いのは一目瞭然です。

ちなみにこれらの実験は23℃でなされており、4℃ではさらに遅くなるだろうと予測できます。

もう一つ、これらのパラメーターとアフィニティは直接関係ありません。アブストにも moderate affinity の抗体を使ったと書いてありますが、会合定数(解離定数の逆数)は抗体Aで 0.28、抗体Bで 0.72(10^8*M^(-1)) で大差ありません。つまり、最終的に平衡状態に達すれば充分なアフィニティがあるが、そこに至るまでの速度が速いか遅いかということです。

(無題) 削除/引用
No.160-26 - 2009/03/13 (金) 19:56:27 - Y
> 例えば下記の論文では抗BSA抗体を12種類調べていますが、dissociation time constants は 2.1 分から 410 分と大きくばらついています。410 分の抗体なら O/N で反応しないと平衡近くには達しないでしょうね。
> Mol Immunol. 1989 Feb;26(2):129-36.
> Dissociation kinetics of antigen-antibody interactions: studies on a panel of anti-albumin monoclonal antibodies.

Abstractしか見れなかったんで、自信がないのですが、
この "dissociation time constants" (dissociation constant とも、dissociation rate constantとも違う)というのは、解離にかかる時間のことじゃないでしょうか。すなわち2.1分の抗体は抗原から解離しやすい抗体で、410分の抗体は解離しにくい抗体。いわゆる結合が平衡に達する時間とは別物だと思うのですが。全文読んだ訳ではないので、もし私が間違ってたら指摘してください。

蒸し返すようであれですが、教科書的には「本当はもっと短い時間で十分だが、念を入れて1時間」のように書かれています。一般にIPに使える抗体は、Kd (dissociation constant)が10^-8 M 以下のaffinityであることが必要と言われてます。Kd = 解離速度定数/結合速度定数なので、high affinityな抗体とは、結合が速くて、解離が遅いということです。「サンプル側の要因」を考慮に入れずに、あえて批判を承知で感覚的な暴論をいうと、「IPに使える程度にhigh affinityな抗体は、結合が速くて1時間もあれば十分。逆に結合に数時間以上かかるlow affinity抗体はそもそもIPに使えない。1時間で出ないものはO/Nでも出ない。」

(無題) 削除/引用
No.160-25 - 2009/03/13 (金) 12:47:53 - りょう
>[Re:23] 0022さんは書きました :
> 最もらしい事を書きますが、とすると結局行き着く先は、如何に抗原抗体反応に取ってよい環境を作り出す事が出来るか、と言う事でしょうか?
>
> 扱うタンパク質や抗体は皆さんそれぞれ異なりますが、一致しているのが「抗原抗体反応」であるという事だと思います。塩の話題はでましたが、どなたか他に「一般的に」(これが問題なのですが)どのようなBuffer条件が抗原抗体反応に良いのか、pHや他のファクターについて検討した事はありますでしょうか?

対象としている蛋白(抗原)の性質によって、可溶化に適したbufferが異なり、しかもそのbufferが抗原抗体反応に最適でない場合が、おそらくIPに時間を要する一要因になっていると思います。
NP40やTx100くらいでは充分可溶化できないような蛋白を相手にしている場合、SDSを含むbufferいわゆるRIPAを使用しますが、この場合、弱い抗体だとIP効率悪くなると思います。
さらに共沈降を目的としている場合は、その相互作用を保持しつつ行う必要があったりと複雑度は増します。
なので細胞抽出物をIP材料に使用する場合、僕の中にある一般論は、対象蛋白の可溶化率とIP効率を考慮したbufferを検討し、ノイズ・アーチファクト・分解などの問題が起こらないならO/Nで反応させるのが一番安心という所に落ち着いています。
pHは生理的な条件ということで7.4-7.5を一般的に使用しますが、PSD蛋白などスキャフォールド蛋白を相手にしている人は可溶化率を考慮して8.0-9.0くらいに上げる人いますね。
リコンビナント同士とかビトロ色が強い系ならmildな条件を選択できて反応時間も10-15分で行けるのでしょう。pHもイジリヤスイですね(等電点について言う人もいます)。

(無題) 削除/引用
No.160-24 - 2009/03/13 (金) 12:00:29 - 通りがかり
なんだかあらゆる抗原抗体反応が1時間もあれば平衡近くに達するように話が進んでいますが、当然ながら個々の抗原ー抗体で話は違いますよ。

例えば下記の論文では抗BSA抗体を12種類調べていますが、dissociation time constants は 2.1 分から 410 分と大きくばらついています。410 分の抗体なら O/N で反応しないと平衡近くには達しないでしょうね。
Mol Immunol. 1989 Feb;26(2):129-36.
Dissociation kinetics of antigen-antibody interactions: studies on a panel of anti-albumin monoclonal antibodies.

臨床検査に使うような抗体は選りすぐりの標準化された抗体であって、あらゆる抗体に一般的に当てはまる条件ではないでしょう。

ということで「サンプルの側の何らかの要因」ではなく、「抗原抗体反応の本質」によっても反応に時間がかかる場合はあります。

(無題) 削除/引用
No.160-23 - 2009/03/13 (金) 11:08:23 - 0022
最もらしい事を書きますが、とすると結局行き着く先は、如何に抗原抗体反応に取ってよい環境を作り出す事が出来るか、と言う事でしょうか?

扱うタンパク質や抗体は皆さんそれぞれ異なりますが、一致しているのが「抗原抗体反応」であるという事だと思います。塩の話題はでましたが、どなたか他に「一般的に」(これが問題なのですが)どのようなBuffer条件が抗原抗体反応に良いのか、pHや他のファクターについて検討した事はありますでしょうか?もしくはそれを示す様な論文を御存知でしょうか?または抗原抗体反応を促進する方法、バックグラウンドを減らす方法を御存知ないでしょうか?(私自身detergent(0.5-1%TritonX-100)は使用しております。)

すいません、質問者様の意図する所とずれてしまうかも知れませんが、、、御許し下さい。

(無題) 削除/引用
No.160-22 - 2009/03/12 (木) 11:08:52 - 中年
そば様、

私の書き方に誤解を呼ぶところがあったのだと思います。

> >平衡点の8割程度が結合するには1時間もあれば十分のような気がします
> だけど、それが本当かどうかは分からない。逆に、何時間かければ平衡に達するかも分かりません。

言いたかったポイントは、免沈屋さんの仰る「免沈に時間がかかるというのは、サンプルの側の何らかの要因が原因で、抗原抗体反応の本質とは別問題ではないでしょうか。」に尽きるのですが、単なる分子間相互作用ならば平衡に達するのにそんなに時間が掛かるはずはないのでは?ということです。

> 「O/Nで行った」という言葉は、「抗原抗体反応が平衡状態になるまで十分な時間をかけました」という意味の”記号”ですよね。
> 言葉の表面上の「一晩待ったこと」に意味があるのではなく、「反応が平衡状態に達していること」に意味があるのだと思います。

これまでのメッセージを見る限り、それについては当然どなたもそうお考えだと思いますよ。

(無題) 削除/引用
No.160-21 - 2009/03/12 (木) 01:25:45 - そば
話の腰を折って申し訳無いですが。

「O/Nで行った」という言葉は、「抗原抗体反応が平衡状態になるまで十分な時間をかけました」という意味の”記号”ですよね。
言葉の表面上の「一晩待ったこと」に意味があるのではなく、「反応が平衡状態に達していること」に意味があるのだと思います。

>平衡点の8割程度が結合するには1時間もあれば十分のような気がします
だけど、それが本当かどうかは分からない。逆に、何時間かければ平衡に達するかも分かりません。
だから「オーバーナイト」という記号で代用するのです。


で、さらに言うと、検出が目的の場合と定量が目的の場合では、十分か不十分かの判断基準が全く異なりますよね。
検出が目的なら、短時間でも検出出来ればOK。
定量が目的なら、きちんと平衡状態に達するまで時間をかける必要がある。

例えば、検出だけが目的なら、制限酵素処理が5分でも十分だと言うことは出来るでしょう? 

結局は、自分が何を主張したいか?によって、実験系(反応時間を含む)を変えるべき、ということになるのではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.160-20 - 2009/03/11 (水) 23:34:31 - りょう
免沈屋さんご丁寧に有難うございます。

短時間で済むポイントは、あらかじめ抗体を固相化しているため表面積が・・・とのことですが、1分子ごとに浮遊している状態と比べて1ビーズに数IgG搭載されている方が衝突頻度は増すのかなあ?っと疑問に思いました。

口径1の掃除機10台で掃除する VS. 口径10の掃除機1台で掃除する。

この例え変ですかね。

(無題) 削除/引用
No.160-19 - 2009/03/11 (水) 23:08:38 - 免沈屋
極端なことを書くと荒れるかなと思いましたが、同様の経験がある人が意外といて安心しました。

>[Re:10] りょうさんは書きました :
> 免沈1分というのは1次抗体1分の後、樹脂など沈降作業を何分されていますか?それとも抗体・樹脂併せて1分でしょうか?
1次抗体を結合させたビーズと1分〜反応です。新鮮な検体を用意し、プレクリンは検体を劣化(分解とか)させるので無しです。

> 皆が実験で使用している免疫沈降法とは異なるものと推測します。なので1−15分という極端な話になるのでしょうか?
ラテックス凝集法しかり、イムノクロマト法しかり、抗体を結合した担体に抗原を捕まえる原理は免疫沈降法そのものですよ。妊娠検査薬やインフルエンザの判定キットの反応は数分です。96穴プレートでELISAする時に1時間反応させるなら、それより表面積が数十倍のビーズで数分でで免沈するのは同値です。それと、Sを稼ぐよりS/Nを稼ぐことを考えれば、短時間反応にメリットありです。

>[Re:16] 千夏さんは書きました :
> 感覚的な話ですが、溶液中にA antigenとanti-A antibody「のみ」がある条件が抗原抗体複合体の形成に要する時間が最も短いと推測されます(他にぶつかったりする障害がないため)。
2分子反応なら、反応速度は2つの分子の濃度の積、[A antigen]×[A antibody]で、他の分子は関係ないでしょう。砂浜の中から指輪を見つけてくるのが抗原抗体反応なのだから。とは言っても、これは抗体のアフィニティによっては実際上そういうことがあるのは同意です。しかし、やはり最適化された条件ではlysate中の反応もbuffer中の反応に遜色無いので、それが最適化の目標です。

>[Re:18] Yさんは書きました :
> 仮に、1時間で出なかったものが、O/Nで出たとしたら、むしろO/Nの結果を慎重に解釈(疑ってかかる)します。
全く同感です。短時間にするほと結果の信頼度が上がると考えます。

> ただ、「サンプル側の問題」を考えると、例えば、目的タンパク質Aが別のタンパク質Bと複合体を作り、抗体がアクセス出来ないような状況などでは、A-B complexから、A-抗A抗体complexへと平衡が移行するのに時間がかかるといった可能性はあるかもしれません。
これが、私が「サンプルの側の何らかの要因が原因で」で言いたかった事です。

(無題) 削除/引用
No.160-18 - 2009/03/11 (水) 21:06:03 - Y
私は短時間派(1時間)です。あくまで一例ですが、以前ある内在性タンパク質の免疫沈降で、ビーズとプレインキュベートした抗体をライセートに加えて、1時間インキュベートと15分インキュベートを比較したことがありましたが、免沈効率はほぼ同じでした。1分という話にはさすがに驚きましたが、結構可能なのではないかという気がしました。ちゃんとした抗原抗体反応なら1-2時間で十分だと思っています。仮に、1時間で出なかったものが、O/Nで出たとしたら、むしろO/Nの結果を慎重に解釈(疑ってかかる)します。

ただ、「サンプル側の問題」を考えると、例えば、目的タンパク質Aが別のタンパク質Bと複合体を作り、抗体がアクセス出来ないような状況などでは、A-B complexから、A-抗A抗体complexへと平衡が移行するのに時間がかかるといった可能性はあるかもしれません。こういった特殊なケース(あるいは結構よくあるケースかもしれませんが)を考えると、O/Nも試してみる価値はあると思います。

(無題) 削除/引用
No.160-17 - 2009/03/11 (水) 19:29:04 - りょう
>[Re:16] 千夏さんは書きました :
> さらにちなみに私のIP条件は抗体をいれて1時間混ぜてからビーズ添加2時間混ぜますv

計3時間ですか。無難な所ですね。
じゃああと90分待ってからwash開始しようかなorz・・・

(無題) 削除/引用
No.160-16 - 2009/03/11 (水) 18:54:45 - 千夏
>免沈に時間がかかるというのは、サンプルの側の何らかの要因が原因で、抗原抗体反応の本質とは別問題ではないでしょうか。

感覚的な話ですが、溶液中にA antigenとanti-A antibody「のみ」がある条件が抗原抗体複合体の形成に要する時間が最も短いと推測されます(他にぶつかったりする障害がないため)。そう考えれば、IPに時間がかかるというのはサンプル側にそれ以外にものが混じっているから=つまりこれが何らかの要因となり、IPに時間がかかるという考えにたどりつき、その意味では抗原抗体反応の本質とは別問題では?という主張は私の中でacceptableデス。もっと深い意味での話だったかもですが。。orz

結局はぶつかり合いですから、酵素反応と違いlysateを用いるIPではA antigenとanti-A antibodyが適切に出会う機会が減る分、やはり相当の時間を要すると思います。さすがに1分は無理だろうww と思いますが、やってみないことにはわかりません。

1) IPに用いるlysateを500 ul用意し、そのうち10 ulを事前にとってsample bufferと混ぜてSDS-PAGEにもっていけるようにしておく(Pre fraction)

2) 残りに抗体とビーズをいれてIP

3) IPが終わったらビーズを遠心で落として、その上清を10 ulとってsample bufferと混ぜる(Post fraction)

4) ビーズをwashしてIP sampleを用意する

このPre, Post, IPをWestern blotすれば、適切な時間を実験的に導き出せると思いますよ!

ちなみに私の場合はendogenous levelの話ですが、Preでバッチリ見えるバンドがPostでは消えるような条件でIPをしています。発現量や添加する抗体量など様々な要因がからみますが、こういう条件でIPをすれば、「うん、完璧!!」と思える・・かな??w

さらにちなみに私のIP条件は抗体をいれて1時間混ぜてからビーズ添加2時間混ぜますv

(無題) 削除/引用
No.160-15 - 2009/03/11 (水) 14:55:19 - りょう
>[Re:13] 中年さんは書きました :
> 「免沈に時間がかかるというのは、サンプルの側の何らかの要因が原因で、抗原抗体反応の本質とは別問題ではないでしょうか。」という点については皆さんどうお考えですか。

確かにlysate側には問題あると思います。超遠心機を利用できる環境にある人は少ないと思います。その場合小型遠心機の2-3万Gでは膜成分が除けず、抗原抗体反応に悪影響を及ぼしているかもしれません。

酵素消化は確かに1時間で行けますね。免沈も用途次第で、抗体次第で1時間で行けるのは理解していますよ。でも免沈屋さんのように1-15分と言われると疑問です。ミニプレップDNAの酵素反応も5分では怖いでしょう(最近短時間で消化できるのを売りにしている酵素もありますが)。

(無題) 削除/引用
No.160-14 - 2009/03/11 (水) 14:49:33 - 老化
>免沈に時間がかかるというのは、サンプルの側の何らかの要因が原因で、抗原抗体反応の本質とは別問題ではないでしょうか。
私もこの点についてもう少し詳しく知りたいです。免疫沈降に用いるようなバッファーの範囲で、抗原抗体複合体形成に長時間を要さざるを得ないようなサンプル側の要因とはどのようなものがあるのでしょうか?皆様のお話だと塩濃度はかなり許容されるようですし。もちろん変性剤や界面活性剤を満々に入れたら影響を受けるでしょうが、通常私が行う免疫沈降の範囲を超えていますし。

情けないことに、いまだに免疫沈降の時間を長く取る事に長所があるのか、今までの通り短時間で全く十分なのか判断に迷ってしまいます。個々のタンパク質によると言われてしまえばそれまでですが。

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