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マトリゲルによるマウス大動脈内皮細胞の初代培養 トピック削除
No.1990-TOPIC - 2010/01/28 (木) 14:21:12 - 血管屋
よろしくお願いします。

マトリゲルを使ってマウス大動脈からの内皮細胞培養に挑戦していますが、うまくいきません。

胸部大動脈を採取し、丁寧に結合組織・脂肪織を取り除きます。実体顕微鏡下で長軸方向に切り開いた後、1mm四方程度の正方形に切ります。

内皮面を下にしてMatrigelに貼り付け、切片が浮かない程度に増殖培地(M199+20%FCS+100ug/mL ECGS+100ug/mL heparin+P/S)を添加します。

4-5日後に切片から細胞が広がっていくので、6-7日で切片を取り除きます。ゲル内での細胞形態は紡錘状です。

ここまで順調と思っていたのですが、dispaseでゲルを溶かし、遠心で細胞を回収して別のゼラチンコートディッシュに継代したあとが問題です。平面培養すると内皮細胞は多角形(敷石状)になると理解しているのですが、継代後の細胞形態が明らかに紡錘・針状です。

confluentにしても敷石状にならず、何というか、HEK293をconfluentにした時のような形態です・・・。WBでPECAMとVCAMもチェックしましたがバンドは確認できません。DiI-acLDLの取り込みはまだやっていません。

fibroblastがdominantになってしまっているのではないかと考察していますが、培養時のポイントなどご存知の方がいらっしゃいましたら教えて頂ければありがたいです。
 
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(無題) 削除/引用
No.1990-5 - 2010/01/28 (木) 23:45:01 - 血管屋
大変具体的に回答を頂いて感激しています。ありがとうございます!

時間とコスト、あとVSMCの点からも、酵素法を習得できれば最高だと考えておりました。挑戦してみます。

大動脈を完全に筒状のまま取り出すのが重要なのですね。確かに、側鎖からの漏れはたいした事無いですよね・・・。

酵素法のプロトコールは、J Atheroscler Thromb. 2005;12(3):138-42 について承知しているのですが、もし他の参考文献もご存知でしたら教えて頂ければありがたいです。

(無題) 削除/引用
No.1990-4 - 2010/01/28 (木) 15:39:49 - 鮭フレークの美味さは異常
私の日本語めちゃくちゃですねorz

>type-2コラゲナーゼを胸部大動脈の内腔に入れて、両端を糸でしばったあと、洗い出します。

>もちろんこの中にはfibroとかSMCsとかコンタミがいますが、ECsはdishへの接着の早さが、SMCsやfibroより早いことを利用して、まずはこれらをコラーゲンコートしたdishにまいて、2h後にその上清(SMCsなどが含まれる)を捨てます。

>で、ECGS+heparin入りのmediaで1週間も培養すればほぼ100% CD31 positiveなECsが取れます。

すみません、一応訂正しておきました(笑)


>コラゲナーゼ液を充填するときに大動脈側鎖からの漏れは無視してもよいのでしょうか?

さすが血管屋さんですね。今、ハッとしたところです。
漏れは分かりませんが、私のやり方は、一端を完全に糸で縛り、もう一端は、21 G針を連結させたシリンジを固定し、そこから注入します。

ぷーっとソーセージのように膨らみますが、この時膨らまなかったら、脂肪組織や結合組織を切除している時にaortaを傷つけている場合が多いです。

膨らむことを確認したら、針を抜き、糸で完全に縛り、コラゲナーゼ処理をします。

>あと、継代数の限界や、凍結保存の可否などはいかがなのでしょうか・・・?

継代数の限界はわかりません。

ただ血管屋さんも100 ug/ml ECGSという高濃度を使用されてますが、同じ濃度で使用してますが、ものすごく増えは早いです。

保存はセルバンカーで保存してますが、起きもチョー良いです。とうか全く死んでません。

ちなみに私の血管内皮の定義は、CD31 positive (assessed by FACS)と、CD14 negative (by RT-PCR) なことで確認しています。



血管屋さんはさすがに鋭いですね。
この方法でECsとSMCs両方が樹立されます。
参考文献要りますか?探してみますが。。

マトリゲルによるマウス大動脈内皮細胞の初代培養 削除/引用
No.1990-3 - 2010/01/28 (木) 15:00:53 - 血管屋
早速のご回答ありがとうございます。ご経験のある方からのレスでかなり嬉しいです・・・。

仰るとおり、この中からDiI-acLDLポジティブな細胞を集めることも検討しています。あとは、そのECの接着の速さを利用して、継代後2hで1回洗ってもいいかもしれませんね。

酵素剥離法は1本の大動脈からECとVSMC両方取れるのが魅力です。本格的にはトライしていませんが、検討したいと思います。
細かいことですが、コラゲナーゼ液を充填するときに大動脈側鎖からの漏れは無視してもよいのでしょうか?

あと、継代数の限界や、凍結保存の可否などはいかがなのでしょうか・・・?

(無題) 削除/引用
No.1990-2 - 2010/01/28 (木) 14:39:13 - 鮭フレークの美味さは異常
まあおそらくfibroなんでしょうね。

確かに、
>(M199+20%FCS+100ug/mL ECGS+100ug/mL heparin+P/S)を添加します。

これでSMCsやfibroが増えやすい条件ではないですし、ECsがdominantに増える条件ではありますが、やや不安です。

ちなみに、その細胞群からsortingしてECsを取ってこようとしています?



私は、酵素剥離法を用いています。

type-2コラゲナーゼを胸部大動脈の内腔に入れて、両端を糸でしばったあと、洗い出します。

もちろんこの中にはfibroとかSMCsとかコンタミがいますが、まずはこれらをコラーゲンコートしたdishに2hまいて、ECsはdishへの接着の早さが、SMCsやfibroよりも利用して、2h後の上清を捨てます。で、ECGS+heparin入りのmediaで1週間も培養すればほぼ100% CD31 positiveなECsが取れます。

マトリゲルによるマウス大動脈内皮細胞の初代培養 削除/引用
No.1990-1 - 2010/01/28 (木) 14:21:12 - 血管屋
よろしくお願いします。

マトリゲルを使ってマウス大動脈からの内皮細胞培養に挑戦していますが、うまくいきません。

胸部大動脈を採取し、丁寧に結合組織・脂肪織を取り除きます。実体顕微鏡下で長軸方向に切り開いた後、1mm四方程度の正方形に切ります。

内皮面を下にしてMatrigelに貼り付け、切片が浮かない程度に増殖培地(M199+20%FCS+100ug/mL ECGS+100ug/mL heparin+P/S)を添加します。

4-5日後に切片から細胞が広がっていくので、6-7日で切片を取り除きます。ゲル内での細胞形態は紡錘状です。

ここまで順調と思っていたのですが、dispaseでゲルを溶かし、遠心で細胞を回収して別のゼラチンコートディッシュに継代したあとが問題です。平面培養すると内皮細胞は多角形(敷石状)になると理解しているのですが、継代後の細胞形態が明らかに紡錘・針状です。

confluentにしても敷石状にならず、何というか、HEK293をconfluentにした時のような形態です・・・。WBでPECAMとVCAMもチェックしましたがバンドは確認できません。DiI-acLDLの取り込みはまだやっていません。

fibroblastがdominantになってしまっているのではないかと考察していますが、培養時のポイントなどご存知の方がいらっしゃいましたら教えて頂ければありがたいです。

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