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OTCコンパウンドで包埋した組織の凍結について トピック削除
No.3481-TOPIC - 2010/11/05 (金) 23:54:00 - helpmeplease
組織の凍結包埋ブロックを作製するときの凍結方法について質問させてください。

いつもは、ヒトや動物の組織をそのままOCTコンパウンドに沈め、液体窒素で一気に凍結しています。その後は切片を作製し、免疫染色など行っています。

ところが今回、いろいろアクシデントがあり・・・組織をOTCコンパウンドに入れ-80℃のフリーザーに静置して凍結させました。このような凍結方法でもその後の免疫染色に影響が無いでしょうか?
OTCコンパウンドのメーカーさんに問い合わせたところ、「(液体窒素が無いなら)その方法でよかったのではないかと思います。ただ凍結するのに時間がかかると思います。凍結したらいつもの通りの方法で切片が作れる思います」と言われました。しかしながら、どのプロトコールを見ても、凍結方法は液体窒素か、アセトンなどの有機溶媒にドライアイスを入れたものなどを使用しており、-80℃フリーザーを使うプロトコールは調べた限りありませんでした。

-80℃のフリーザーで凍結させた場合、確かに凍結はされると思うのですが、液体窒素と比較して組織にどんな影響があると考えられますか?この切片でも免疫染色は可能でしょうか??なぜ通常のプロトコールは液体窒素で、-80℃のフリーザーは選択肢として出てこないのでしょうか???

経験のある方、凍結切片に詳しい方などいらっしゃいましたら、教えていただきたく何卒宜しくお願い致します。長文になりましてすみません。
 
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ありがとうございました 解決済み 削除/引用
No.3481-12 - 2010/11/18 (木) 09:21:58 - helpmeplease
通りすがりさん、組織さん、MBBさん、AAさん
遅くなりましたが、ご回答ありがとうございました!

やはり有機溶媒を冷却するのは避けたほうがよさそうですね。
ドライアイスを使う方法もまた試してみたいと思います。

クライオスタットで凍結させる方法は、メーカーに電話したときに
電話の方もおっしゃっていました。そのとき詳しくは聞かなかったのですが
臨床で使われる方法なのですね。勉強になりました。

いろいろな凍結方法を知ることができ、本当に勉強になりました。
皆様ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.3481-11 - 2010/11/10 (水) 21:37:00 - 通りすがり
>なお、余談ですがクライオスタットの内部で切片を作成しながらOCT包埋している先生を見かけたこともあります。

 これって、臨床の手法ですよね。クライオスタットの中に、庫内の他の部分よりも温度を低くできるプレートがあったりして、それを利用するのだと思います。

 もともとの用途は、「手術室で患者から生検用の組織を切り出し、その組織をすぐに病理染色し、その結果によって組織を外科的に切除するかどうかその場で決める」というような場合だと思います。時間との戦いなので、このようなやり方になるのだと思います。これに対して、基礎実験のようにのんびりできる(?)ときは形態などに気を使う余裕があるのでしょう。

(無題) 削除/引用
No.3481-10 - 2010/11/10 (水) 19:23:29 - AA
私の研究室ではOCTコンパウンドを固めるときは直接ドライアイスの上において固めています。
ドライアイスは塊のままであったり、砕いて細かくしてあったり人によって様々ですが、有機溶媒等は使用していません。

理論的には凍結速度が遅いため氷の結晶により、組織に機械的な負荷が掛かっている可能性はあります。
ただ、聞いてみたところによりますと、OCTと組織とで凍結する速度に差があるため、急冷して凍結させた場合外側のコンパウンドは固まったが内部の組織はまだ凍結していない、という状態になりうるそうです。
この状態のまま-80℃において保存した場合、遅れて凍結した組織の収縮により、コンパウンドと組織が解離する可能性があるそうです。

そこでドライアイス上でゆっくりめに凍結させることで凍結していく速度を揃えている、という理屈だと聞きました。
どちらが良いのかわかりませんが、今のところこの方法で私は問題なく出来ています。
なお、余談ですがクライオスタットの内部で切片を作成しながらOCT包埋している先生を見かけたこともあります。

(無題) 削除/引用
No.3481-9 - 2010/11/07 (日) 14:13:36 - MBB
凍結切片用ではありませんが、ディープフリーザーでメタノールを冷やして
使用していた経験があります。できれば試薬瓶のままとか蓋のできるデュワー
にいれて冷やすのが良いと思いますが、ジップロックに入れてから発泡
スチロール箱にいれてフリーザーで冷やしても使えました。
アセトンはさすがにジップロックじゃ駄目かも知れませんが、工夫次第で
なんとでもなりますよ。

(無題) 削除/引用
No.3481-8 - 2010/11/07 (日) 12:31:30 - 組織
クライオプロテクションについては通りすがりさんのご説明の通りです。通常、既固定の凍結組織切片を作製するときに行います。逆に新鮮凍結組織では、浸透圧の関係上、禁忌だと思います。詳細は、免疫染色関係の技術書などをご参考ください。

(無題) 削除/引用
No.3481-7 - 2010/11/07 (日) 03:26:32 - 通りすがり
>このような液体窒素もドライアイスも無い場合に、例えばイソペンタンやアセトンなどを直接-80℃フリーザーに入れて冷却し、それで凍結することも可能でしょうか???もし経験等ありましたら教えてください。思いついただけで実際に冷やしたことは無いのですが、イソペンタンやアセトンを-80℃で冷却することはやはり問題ありますか??

 有機溶媒をー80のフリーザーに入れるということに抵抗があります。とくに、アセトンはかなり有害ですよね。イソペンタン(2メチルブタン)は有機溶媒の中では比較的安全なために好まれているようですが、それでもちょっと不安です。

 また、フリーザーはふたを開けた瞬間に温度も上がるだろうし、フリーザーの中に入って実験するわけには行かないし、なかなか難しいのではないかと推測します。

 「組織さん」がおっしゃってるクライオプロテクションとは、20%〜30%sucrose in PB(S)に一晩〜二晩漬けておくステップのことと思います。これで氷晶をかなり防ぐことができます。

 私は組織学が専門ですのでどちらかといえば凍結の条件にうるさいほうと思います。「組織さん」がおっしゃっているように、染色に成功する可能性も十分にあると思います。抗原次第と思います。(染色前に、組織が穴だらけでないかは確認したほうがいいと思いますが)

ありがとうございます! 削除/引用
No.3481-6 - 2010/11/06 (土) 22:57:13 - helpmeplease
通りすがりさん、組織さん、投稿ありがとうございます!
すごく勉強になりました。

実は今回、組織はすでにコンパウンド中に入ってしまっているのに
液体窒素もなくドライアイスもない状況だったので
困った末、とりあえず-80℃フリーザー内に静置し
凍結させたという状況でした。

組織さん

実際に-80℃フリーザーで凍結して問題なく実験されているのですね。
参考になりました!ありがとうございました!
ひとつ質問があるのですが、クライオプロテクションとはどのような方法ですか?はずかしながら初めて聞きました。新鮮凍結ではされないとのことですが、どのような場合にするのですか?

通りすがりさん

詳しい解説、ありがとうございました!
このような液体窒素もドライアイスも無い場合に、例えばイソペンタンやアセトンなどを直接-80℃フリーザーに入れて冷却し、それで凍結することも可能でしょうか???もし経験等ありましたら教えてください。思いついただけで実際に冷やしたことは無いのですが、イソペンタンやアセトンを-80℃で冷却することはやはり問題ありますか??

上記について、経験のある方や詳しい方がいらっしゃいましたら
教えて下さい。宜しくお願い致します。

(無題) 削除/引用
No.3481-5 - 2010/11/06 (土) 18:28:41 - 組織
おそらく問題なく免疫染色できると思いますよ。

別トピックでも書きましたが、私は-80℃フリーザーで凍結させてます。一度に多検体を扱う手間もあり、この方法しかやったことないです。ゆっくり凍結させるのは良くないというご意見もしばしば耳にしますが、今のところ、組織形態や免疫染色で問題が生じたことは無いです。新鮮凍結ではもちろんクライオプロテクションをやりませんが、その状態でも氷晶に困らされた経験はありません。

ただやはり理論的には、他の方から指摘されているようなリスクがあるわけですし、一般的なプロトコールに準じる方が無難でしょうね。

安全性の面から 削除/引用
No.3481-4 - 2010/11/06 (土) 00:56:16 - 通りすがり
 アセトンよりもイソペンタンのほうが安全と思います。連投すみません。

質問の答え 削除/引用
No.3481-3 - 2010/11/06 (土) 00:54:11 - 通りすがり
 微妙に質問に答えていませんでした。

 氷の結晶のために組織の形態に悪影響があるといいましたが、氷が物理的に抗原(性)にダメージを与えるということもあります。

 これについては、染めたい抗原しだいですので、自分で確かめてみるしかないですね。強い抗原ならばあまり影響がないかもしれません。

ドライアイスで代用 削除/引用
No.3481-2 - 2010/11/06 (土) 00:50:40 - 通りすがり
 一般に、ゆっくり凍結させると、組織内で氷の結晶が成長して組織の形態を壊してしまいます。おそらく、今のブロックを切ると、(顕微鏡下で)穴だらけの切片ができるかと思います。(常温下で氷が水になった後に蒸発するため)

 また、液体窒素を使っているとのことですが、組織とOCTが入った入れ物を直接液体窒素に漬けるということも通常はしません。それは、暖かい入れ物に触れた液体窒素が瞬時に揮発し、入れ物と液体窒素の接触が防がれ、凍結が遅れるからです。そのため、普通は、液体窒素に(より揮発性の低い)イソペンタンを入れ(直接ではなく、何らかのコンテナ中です)、そこに組織の入った入れ物を入れるということをします。

 たとえ液体窒素がなくても、もし、イソペンタンがあるのであれば、イソペンタンの中に直接にドライアイスを(今度は直接)放り込み、冷えるのを待ってからそこに組織の入った入れ物を入れるという方法もあります。液体窒素の代わりにドライアイスで代用できます。

OTCコンパウンドで包埋した組織の凍結について 削除/引用
No.3481-1 - 2010/11/05 (金) 23:54:00 - helpmeplease
組織の凍結包埋ブロックを作製するときの凍結方法について質問させてください。

いつもは、ヒトや動物の組織をそのままOCTコンパウンドに沈め、液体窒素で一気に凍結しています。その後は切片を作製し、免疫染色など行っています。

ところが今回、いろいろアクシデントがあり・・・組織をOTCコンパウンドに入れ-80℃のフリーザーに静置して凍結させました。このような凍結方法でもその後の免疫染色に影響が無いでしょうか?
OTCコンパウンドのメーカーさんに問い合わせたところ、「(液体窒素が無いなら)その方法でよかったのではないかと思います。ただ凍結するのに時間がかかると思います。凍結したらいつもの通りの方法で切片が作れる思います」と言われました。しかしながら、どのプロトコールを見ても、凍結方法は液体窒素か、アセトンなどの有機溶媒にドライアイスを入れたものなどを使用しており、-80℃フリーザーを使うプロトコールは調べた限りありませんでした。

-80℃のフリーザーで凍結させた場合、確かに凍結はされると思うのですが、液体窒素と比較して組織にどんな影響があると考えられますか?この切片でも免疫染色は可能でしょうか??なぜ通常のプロトコールは液体窒素で、-80℃のフリーザーは選択肢として出てこないのでしょうか???

経験のある方、凍結切片に詳しい方などいらっしゃいましたら、教えていただきたく何卒宜しくお願い致します。長文になりましてすみません。

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