Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

最新のフォーラム | このフォーラム | ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

酵母でのタンパク質発現系について トピック削除
No.432-TOPIC - 2009/05/07 (木) 11:55:32 - mas
メタノール資化酵母Pichia pastorisを用いたタンパク質の発現を行っています。Invtrogen社のpPICZベクターに約700bpの遺伝子を組み込み、発現をさせることが出来ました。検出はwestern blottingで行いました。
発現の操作は過去1度行ったのですが、およそ1ヵ月後に再度発現を試みたところうまくいきませんでした。培養時間や培地など発現の条件は何も変えていません。改善しようと培地成分を新しいものに変えたり、菌体数を増やしたりしたのですが目的のタンパク質は得られないままです。
保存状態によって発現効率等変わってしまうのでしょうか?トランスフォーマントし直したほうがいいんでしょうか?
当方、タンパク質の発現系を扱うのが初めてですので言葉足らずな部分があるかもしれませんが、気づく点がありましたらアドバイス願います。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



9件 ( 1 〜 9 )  前 | 次  1/ 1. /1


返信ありがとうございます! 削除/引用
No.432-10 - 2009/05/07 (木) 19:05:17 - mas
ats様、弘法様

非常にわかりやすい説明と細かいご指導ありがとうございます!
目的のタンパク質を得るために再度トランスフォーマントを作成し、また現在保持している菌体を調べて「発現しない」原因を考えてみます。あと菌体の保存に関しても周りの者とよく話し改善したいと思います。

今回の質問で改善すべき点が明確になっただけでなく、非常に勉強になりました。ありがとうございました。
またお気づきの点がありましたら追加で書き込んで頂けたら助かります。

(無題) 削除/引用
No.432-8 - 2009/05/07 (木) 17:51:37 - 弘法
劣化するとは確かにあまり科学的なもの言いではありませんね。

全く問題ない場合もあるでしょうし、問題が生じると言ってもいろいろな場合が考えられるとは思いますが、心配なのは中途半端な凍結状態にあることでストック中の細胞の何割かが死ぬことで、何らかの選別が掛かって生き残り易い細胞の割合が増えていってしまうことです。この場合で言えば、外来遺伝子の導入によって引き起こされるストレスで、高発現株が死に易く低発現株が生き残り易いといったような事情が引き起こされる可能性があり得るのではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.432-7 - 2009/05/07 (木) 17:09:32 - mas
返信が重なってしまいました、失礼しました。

> 今回の場合は、AOX locusと導入遺伝子間で組換えを起こしたり、導入遺伝子内部で欠失した可能性があります。特に生育条件が悪くなると起こりやすいようです。
ご丁寧にありがとうございます。初心者なもので、非常に勉強になります。

> また、弘法さんの言う通り、deep freezerで凍結保存してください。
> 同様に穿刺培養したクローンの(長期)保存も遺伝子導入株ではお薦めしません。
下の記事にも記しましたが、我々グループ単位で-20℃の菌体保存を行っていました。今後共同研究者ともども参考にしていきます。

(無題) 削除/引用
No.432-6 - 2009/05/07 (木) 16:07:38 - mas
> Pichiaは経験がないのですが、微生物一般にグリセロールストックは-70℃以下で保存すべきです。-20℃保存のせいで劣化したんじゃないでしょうか。

ご指摘ありがとうございます。
当研究室では微生物に携わるものが数人おりますが、保存のほとんどを-20℃で行ってました。(非常に貴重だと考えているサンプルは別ですが)
今後参考にいたします。

ところで「劣化する」というのは具体的にはどのような状況でしょうか?
自分の場合、単に培地での菌体数の正常な増加が確認できたので問題ないと思い実験に使用していたのですが…
質問ばかりですみません。

(無題) 削除/引用
No.432-5 - 2009/05/07 (木) 16:05:30 - ats
一般的に、酵母はhomologous recombinationを起こしやすい性質を有しています。
このため、ヒトゲノムを組み込んだYACは高頻度にrearrangementを生じているので、クローニングには不向きとされています。
今回の場合は、AOX locusと導入遺伝子間で組換えを起こしたり、導入遺伝子内部で欠失した可能性があります。特に生育条件が悪くなると起こりやすいようです。
とは言っても頻繁に経験するものではないでしょう。
私も10ほどのコンストラクトの経験がありますが、その中で一度だけ発現しなくなったクローンがありました(同じコンストラクトでも他のクローンは問題なかった)。
同じコンストラクト由来でも念のため複数クローンを保存しておくことをお薦めします。
また、弘法さんの言う通り、deep freezerで凍結保存してください。
同様に穿刺培養したクローンの(長期)保存も遺伝子導入株ではお薦めしません。

(無題) 削除/引用
No.432-4 - 2009/05/07 (木) 14:34:44 - 弘法
Pichiaは経験がないのですが、微生物一般にグリセロールストックは-70℃以下で保存すべきです。-20℃保存のせいで劣化したんじゃないでしょうか。

ありがとうございます 削除/引用
No.432-3 - 2009/05/07 (木) 13:48:55 - mas
お早い返事ありがとうございます。

> (2)発現が確認されたクローンの保存状態は問題ないでしょうか。
> 発現させる前に凍結保存させておいたクローンでしょうか?
はい、発現前にグリセロールストックを作り-20℃で保存をしてました。

> (3)-(5)は、PCRで遺伝子の存在(+シークエンス)を確認してみればある程度の情報は得られます。
そうですね。早速ゲノム抽出してみて確認をしてみます。

ところで、さらに質問させていただきたいのですが、(5)の導入遺伝子の欠失
という状況がイメージできないのですが…
プラスミドだとプラスミドごと外へ出てしまうようなことが起こる可能性も考えられるのですが、ゲノムのような大きな遺伝子に挿入された部分が欠失を起こすようなことはあるのでしょうか?基本的なことですみません。


> 基本的には発現しなくなったものは諦めて「廃棄」がよいでしょう。
やはりそうですか。原因究明と並行して新しいトランスフォーマントの作成を行っていきたいと思います。

(無題) 削除/引用
No.432-2 - 2009/05/07 (木) 13:00:26 - ats
Invtrogenのmanualを隅まで読んで対処した上での質問だとしますが、
(1)クローン化したのか、否か
(2)発現が確認されたクローンの保存状態は問題ないでしょうか。
発現させる前に凍結保存させておいたクローンでしょうか?
(3)コンタミの可能性
(4)導入遺伝子のサイレンシング(あまり考えられない)
(5)導入遺伝子の欠失
(3)-(5)は、PCRで遺伝子の存在(+シークエンス)を確認してみればある程度の情報は得られます。
基本的には発現しなくなったものは諦めて「廃棄」がよいでしょう。
新しく作り直した方が早いですが、再度同じことが起こるのでしたら、何かしらの対処が必要です。

酵母でのタンパク質発現系について 削除/引用
No.432-1 - 2009/05/07 (木) 11:55:32 - mas
メタノール資化酵母Pichia pastorisを用いたタンパク質の発現を行っています。Invtrogen社のpPICZベクターに約700bpの遺伝子を組み込み、発現をさせることが出来ました。検出はwestern blottingで行いました。
発現の操作は過去1度行ったのですが、およそ1ヵ月後に再度発現を試みたところうまくいきませんでした。培養時間や培地など発現の条件は何も変えていません。改善しようと培地成分を新しいものに変えたり、菌体数を増やしたりしたのですが目的のタンパク質は得られないままです。
保存状態によって発現効率等変わってしまうのでしょうか?トランスフォーマントし直したほうがいいんでしょうか?
当方、タンパク質の発現系を扱うのが初めてですので言葉足らずな部分があるかもしれませんが、気づく点がありましたらアドバイス願います。

9件 ( 1 〜 9 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を