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ELISAの発色酵素について トピック削除
No.604-TOPIC - 2009/06/03 (水) 20:04:32 - あ
競合的ELISA法でのタンパク質測定法を確立しようと思っています。

検量線(縦軸:吸光度、横軸:タンパク濃度)は、横軸を対数でとっていて、S字カーブが描けています。

この検量線で、サンプルを測定すると、S字カーブの左側のプラトーに近い部分に当たります。
理想は、S字カーブの中央にサンプルの値が来る形なのですが、この位置を変えるにはどのように検討すれば良いでしょうか。

よろしくお願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.604-8 - 2009/06/19 (金) 00:32:57 - マチ
すいません。質問の答えになっていませんでした;;
申し訳ありません。

in situさんの仰る、相対的に標識抗体の濃度が上がりカーブが右にシフトする、という現象は確かに存在します。
ただそれは[Ab]=[Ag2]あるいは[Ab]<[Ag2]の時に起こる現象です。

ゆえに、[Ab]>[Ag2]のときはAb(固相化抗原濃度)を減らし、
[Ab]=[Ag2]あるいは[Ab]<[Ag2]のときはAg2(標識抗原濃度を減らす)
というアプローチをとるべきだと考えられます。

もちろん、実際に条件検討をする場合は[Ab]と[Ag2]の大小などわかりませんから、試しに[Ab]あるいは[Ag2]の濃度をどちらか一方固定し、もう片方の濃度条件を変動させてシグモイドがどう動くかを見て、よりクリティカルに影響した方について、更に濃度を減少させ、高感度化できるか検討してみる、といった流れになるかと思います。

以上です。

(無題) 削除/引用
No.604-7 - 2009/06/19 (金) 00:18:01 - マチ
お返事が遅れました。
申し訳ありません。

>抗体の濃度を下げると相対的に標識抗原濃度が高くなってシグモイドが右に>シフトしそうな気がするのですが、どうなんでしょう?

仰る通りです。
私の言葉が足りなかった様です。
結論を言いますと、固相化抗原、標識抗体ともに濃度を下げれば下げるほどシグモイドは左にシフト(高感度化)します。

抗原抗体反応の競合反応系においては、
Ab+Ag1→←AbAg1
Ab+Ag2→←AbAg2
という二つの平衡反応が存在します。

ここで、Ag1を測定対象物、Ag2を標識抗原とすると、
競合EIAで測定するのはAbAg2です。
競合法のキモは、あるAg1濃度のときに、いかにして下の式を左に傾けるかにあります。
AbAg2が減る=測定シグナルが減る、ということですから、
高感度化されるということです。

例えばAg2の濃度を下げると下の式が左に傾きますから、AbAg2が減り、高感度化されます。これが片倉先生の仰っていた高感度化です。
同様に、Ab(固相化抗体)の濃度を下げることによっても下の式は左に傾きますので、結果的に感度は上がります。

以上、簡単ですが説明させて頂きました。

余談ですが、AbとAg2の濃度を下げていくと、当然シグナル自体が低下しますので「感度は上がれどもシグナルが見えない」という状態になります。

そこでようやく酵素や基質の話になってきます。
見えないシグナルを見えるようにするためには、よりシグナルの増幅効率を上げる必要があります。その方法として、

・酵素の反応時間を延長する
・発色系をより感度の高い蛍光や発光にする
・より触媒効率の高い酵素を用いる

という選択肢が生じる訳です。

お気づきとは思いますが、
競合法においては、固相化抗原と標識抗体の濃度最適化を行った後、初めて酵素や基質の選択による高感度化が達成される訳です。

盲目的に「蛍光や発光にすれば感度が上がる」と仰る方を散見致しますが、
それはAbAg1を測定するサンドイッチ法に限った話です。

ここで更に余談ですが、
最近、より増幅効率の高いEIAとして、増幅系に酵素基質反応ではなくPCRを用いる、immuno-PCRがあります。
信じ難い話ですが、2006年のNature biotech(mason著)では、このimmuno-PCRを発展させたLPCRという測定系で、10分子(10~-19 M)の検出感度を達成しています。

長々と失礼致しました。
イムノアッセイを立ち上げる皆様のお役に立てれば幸いです。

(無題) 削除/引用
No.604-6 - 2009/06/07 (日) 15:13:36 - in situ
スレ主さんではないのですが、片倉先生の和文献、非常に興味深く読ませていただきました。

読んだ結果若干、気になったことがあったので質問させていただきます。

>>固相化抗体の濃度を減らす
>というアプローチは非常に有効です。
>最適化の際に最も注意すべき条件であると個人的に思っています。

とマチさんは書かれていますが、片倉先生の和文献によると、
『標識抗原濃度を上げると、呈色は強くなるが、検出限界は高濃度側にシフトする(シグモイド曲線が右にシフトする)』とあります。

このことから、抗体の濃度を下げると相対的に標識抗原濃度が高くなってシグモイドが右にシフトしそうな気がするのですが、どうなんでしょう?

(無題) 削除/引用
No.604-5 - 2009/06/07 (日) 10:19:39 - マチ
競合ELISAを組んでいた者です。

>HRPをALPに変えることについて

ALPとHRPですが、CJさんの仰る通り酵素反応の持続性で言えばALPの方が感度は良くなります。しかし、これが表面化するのはかなり次元の高い話で、ELISA条件の最適化を完了し、かつ蛍光あるいは化学発光の系である場合に、ようやく影響が出てくる感じです。
ですので、最適化を試みていない、あるいはOPD/ABTS/TMBなどを発色団として使用している場合は、まずは競合反応時の濃度条件を検討してみると良いと思います。


>固相化抗体の濃度を減らす
というアプローチは非常に有効です。
最適化の際に最も注意すべき条件であると個人的に思っています。
理論的には阪大の片倉啓雄先生の和文献が非常に解り易いです。
「競合ELISAの精度に及ぼす抗体の特性の影響」というタイトルでググってみて下さい。

成功を祈ります。頑張ってください。

(無題) 削除/引用
No.604-4 - 2009/06/06 (土) 05:56:36 - CJ
ELISAはやったことはないのですが:
ALPはHRPと違って失活しにくい特徴があります。HRPでの発色は20分を超えるとほとんど無意味ですが、ALPの場合反応は一晩くらいまで続く印象があります。(もちろんバックも上がりますが)
このためALPはHRPよりも感度が優れているといわれています。(反応産物の拡散が問題になりますが、それは組織染色の話)

(無題) 削除/引用
No.604-3 - 2009/06/03 (水) 22:07:16 - あ
ご回答ありがとうございます。

サンプルが血漿なので、濃縮する事はできませんがアプライ量を増やす事はできると思います。この場合は、スタンダードのアプライ量は変えずに、サンプルのみアプライ量を増やして、サンプル濃度を後で補正するという形でしょうか。

後者の競合タンパクを増やす方法はやってみたのですが、吸光度が上がっただけで、同じように中央から外れた位置になりました。

その他、推測での話ですが、捕捉抗体の量を減らして、検量線のS字カーブを左へずらす事などを考えたのですが、こういう方法は有効だと思われますか。

あと現在、ニュートラアビジン-HRPとTMBを使って発色させているのですが、ニュートラアビジン-ALPを使った方が感度が上がる、又は発色強度が良くなることはありますか。

どうかよろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.604-2 - 2009/06/03 (水) 21:14:10 - ピペド
サンプルを濃縮するか、ELISA系の感度を上げるかですよね。

前者は濃縮するか、アプライする量を増やすのが手っ取り早いですよね。
後者はいろいろとやりようがあるのですが、競合タンパクを増やすとか。

ELISAの発色酵素について 削除/引用
No.604-1 - 2009/06/03 (水) 20:04:32 - あ
競合的ELISA法でのタンパク質測定法を確立しようと思っています。

検量線(縦軸:吸光度、横軸:タンパク濃度)は、横軸を対数でとっていて、S字カーブが描けています。

この検量線で、サンプルを測定すると、S字カーブの左側のプラトーに近い部分に当たります。
理想は、S字カーブの中央にサンプルの値が来る形なのですが、この位置を変えるにはどのように検討すれば良いでしょうか。

よろしくお願い致します。

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