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頻出かもしれませんが...GST、ヒス付きタンパク質精製(大腸菌) トピック削除
No.6907-TOPIC - 2018/05/10 (木) 09:24:24 - ポン佐
過去のトピックをこれでもかと読みましたが、ずばり、というものがなくトピックを立てさせてもらいましたm(--)m 大腸菌でのN末から、GST-タンパク質X-ヒスx6を作ろうとしています。

SoluBL21とM9 mediaという組み合わせで、どうにかリゾチームと1% TritonX 100で可溶化される分画にモノを得ましたが、これがGSHビーズにも、ニッケルビーズにも全くと言っていいほど結合しませんでした。詳細は以下に示します。

大腸菌株:SoluBL21

培養液:合成M9培地

誘導条件:OD600 = 0.6になったらIPTG 0.5 mM, 30˚C, 6 hrs

可溶化buffer:100 ug/ml lysozyme, 50 ug/ml DNase, 1% Triton X-100 in 50 mM Tris-HCl (pH8), 150 mM NaCl, 1 mM PMSF

可溶化方法:3Lの大腸菌カルチャーを、5000gでペレット化し、40mlの可溶化bufferを加え、軽くソニケーションを行いペレットを崩し、氷上で30分、震盪

その後、5000gで遠心するとまだ大腸菌ペレットがだいぶ残っており、30秒を2-3回ソニケーションを行い、さらに30分室温で震盪しました。その後5000gで遠心するとだいぶ可溶化できましたので、その上清を回収し、1ml分のGSHビーズを加えてゆっくり4度で結合、その後、20mMリン酸buffer(pH7.5)で洗浄、20mM GSH (pH8.0) in 50 mM Tris + 150 mM NaClで溶出しました。

結果は、全くモノがGSHビーズに結合していませんでした。そこでフロースルーに終濃度で20mMイミダゾールを加え、室温でニッケルビーズと1時間ゆっくり転倒混和しましたが、そこでもニッケルビーズに結合していませんでした。

未結合分画にあることは、そのタンパク質に対する抗体や、タグに対する抗体で確認しており、IPTG 有無で比べると、有りの方で確実にタンパク質が誘導されていることを確認しています。

GSTもヒスもだめということで、もしかしたらタンパク質そのものが壊れているのでは?と考えています。
そこで質問させていただきたいのですが、

1. 上記可溶化条件でタンパク質がアグってしまいますでしょうか?

2. 結晶化のプロと思われる方のブログを見たのですが、可溶化にデタージェントは基本入れないと書かれてありました。1% Triton X-100を抜くことで凝集はむしろ促進されるのでは?と推察しますが、抜いてみる価値はありますでしょうか?

3. ヒスタグでもだめなので、おそらく改善しないと思われますが、DTTを加えることでGSHビーズとの結合が改善されるとあります。ただ、私の場合、GSTだけでなくヒスもワークしないので、なんとも言えないですよね...

4. 誘導を6時間など長い場合には、タンパク質が大腸菌内でアグリやすい等はありえますでしょうか?

5. ヒスとGSTでのタンデム精製の場合、どちらを先に行うと良い、という感覚的なものは存在しますでしょうか?

たくさん質問してしまい本当に申し訳ありませんm(--)m頻出だとは思いますが、かれこれひと月以上時間をかけているので、なんとか打開したいです。ご協力いただけますと幸いです。
 
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27件 ( 1 〜 20 )  前 |  1/ 1. 2. /2


(無題) 削除/引用
No.6907-27 - 2018/05/13 (日) 08:44:04 - おお
monさんの指摘にありますように、1Lカルチャー8とか10個をいっぺんにやり、50mlのチューブで同じスケールで8とか10本使い精製するのが意外と近道だと思います。

ちょっと多いというなら1Lを4つとか6つとかで2、3回にわけてどこかで合わせるのも手でしょう・

(無題) 削除/引用
No.6907-26 - 2018/05/13 (日) 08:28:41 - mon
> 昨日は40mlからの精製でしたので50mlチューブで良かったですが、400mlだとしんどそうです。
たかだか8本分ですよね。また今後も多くの試料を処理する予定がなければ、条件検討し直すより8本で行えば早いと思います。
カラムへ結合さえさせてしまえば、洗いを兼ねてビーズをまとめて1~2本で処理できます。

(無題) 削除/引用
No.6907-25 - 2018/05/13 (日) 06:11:35 - ぽん佐
mon先生、ありがとうございます。
本当にそうですね。この度はとてもおせわになりました。ありがとうございます。

実は昨日、ニッケルビーズ0.5mlを使って精製を行い、50マイクログラムを得ました。
これはこれまでの私の経験から言って、圧倒的な量です。ありがとうございました。救われました。


人間、欲は出るもので、今回は1Lでしたが、これを10Lなどに増やして、mgオーダーまで得たいです。

そのためには今回のケースだと、1L菌体で40mlの溶解バッファーを使ったので、10L菌体では400mlの溶解バッファーとなり、400mlからニッケルビーズで精製することになります。昨日は40mlからの精製でしたので50mlチューブで良かったですが、400mlだとしんどそうです。

できれば、400mlの菌溶解液を50ml程度まで濃縮できれば扱いやすくなるのですが、アミコンフィルターでの限外濾過では難しいでしょうか?それか硫安沈殿をした方がいいでしょうか?あついは400mlからニッケルビーズで精製した方が早いでしょうか?

またお時間のあります際にご意見聞かせていただけると幸いです。

(無題) 削除/引用
No.6907-24 - 2018/05/13 (日) 04:38:36 - mon
可溶化が目的ではなく精製が目的だから、こだわるところを間違えない様に。

(無題) 削除/引用
No.6907-23 - 2018/05/12 (土) 12:52:28 - ぽん佐
mon先生、

なるほど、確かにそうですね!

ではmon先生にとっても可溶化した上清は澄んだもの、ということですね。
ありがとうございます!頻出トピックでしたが、ここまで親身に相談に乗ってくださり、誠にありがとうございます。心より感謝いたしております。

>[Re:22] monさんは書きました :
> 濁りがあったら、不溶性物質があるでしょ。光散乱しているわけだし。

(無題) 削除/引用
No.6907-22 - 2018/05/12 (土) 12:33:36 - mon
濁りがあったら、不溶性物質があるでしょ。光散乱しているわけだし。

(無題) 削除/引用
No.6907-21 - 2018/05/12 (土) 11:38:35 - ぽん佐
ごめんなさい、訂正させてください。

今回の私の改善した可溶化方法により、ソニケーションなしでも、1%Triton X100, Lysozyme, 十分なDNaseにより菌体を4度で破壊することができました。菌体に対して、十分な量の溶菌バッファーを使うというのがミソだと思われます。

前のコメントで、ペレットは小さくなり、上澄みががっつり濁ってくれました!と書きましたが、遠心菅が半透明なチューブをしているせいで濁りと言ってしまいましたが、それを50mlファルコンチューブに移すと濁りは一切なく、むしろ綺麗に澄んでいました。にも関わらず、大腸菌ペレットは確実に小さくなっており、粘性も出ていましたので溶菌も起きていたのだと思います。

だとすれば、私が以前まで何度も何度もソニケーションと遠心を重ねペレットを小さくし、上清ががっつり濁ることが溶菌の成功だと勘違い(?)していたのは、ひょっとしたらmon先生がおっしゃられた、要らないものまで可溶化してしまったのでは?と推察します。

実際今回澄んだ上清を得たわけで、ここにものがどれだけ含まれているかはわかりませんが、含まれているといいなと思いながら少し寝に帰ってきます。

あるいは溶菌がしっかりされれば上清は濁る(向こうが見えないほど)のが正解でしょうか?それとも今回のように澄んだスープのような上清が正解なのでしょうか?

ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.6907-20 - 2018/05/12 (土) 10:26:31 - ぽん佐
mon先生、ありがとうございます。



> HisTag精製する場合は、リン酸塩+NaClは加えることもあります。
> 菌体沈殿をTBS(PBS)でWashx1回し、溶解液に懸濁し氷上でインキュベートするだけです。場合によっては、2回抽出します。

ありがとうございます。もし現状のプロトコルでうまくいかないようでしたら、ぜひ試させてください!

> Lysozymeも使わないですね。余分なものが出てくるだけなので。。ただし5L培養程度のスケールでは考慮します。

そうだったんですね...ありがとうございます。

> BenzonaseやPotease Inhibitorは使うことも多いです。
> SDS-PAGEで問題となる核酸を分解するためにBenzonaseを使います。

Benzonase、聞いたことありませんでした。私はクルードなDNAseを使っておりました...



実は、早朝から試してみたことがあります。

まず大きな変更点は、溶菌させる大腸菌を(3Lからの回収菌体から)1L分の菌体に減らし、従来通り40mlの溶菌バッファーを加え一時間溶菌し、遠心した上清を可溶性画分としました。

これまでこの遠心では、上清は澄んでおりましたが今日はなんと濁っており、ペレットもとっても小さかったです!!みなさま本当にありがとうございます...!!!!!もうなんとお礼を言っていいものかわかりませんが、本当に良かったです。菌体が多すぎたんだと思います。菌体を減らすよう今朝考えた根拠は、「ライソザイムで壊れないのはまずおかしいでしょう」という感覚をこのトピックでお聞きすることができたからです。ありがとうございました。

実は、更に可溶化の条件検討をしておりまして、

1. 1%トリトンX100を加え、ソニケーション1分間(10秒x6セット)を氷上で行いました。その後、ライソザイム、DNaseを加え、1時間4度で穏やかに震盪しました。結果は上記通りですが、上澄み液はサラサラでした。

2. GEの指示に従い、まず菌体(ソニケーションせず)にライソザイム、DNaseを加え氷上で30分震盪し、その後、1%トリトンX100を加え更に30分震盪しました。結果は菌体は十分破壊されましたが、上澄み液は粘性が認められ、現在DNaseを追加し、4度で30分震盪させているところです。

なにはともあれ、ソニケーションなしでも十分菌体を破壊できたことは紛れもなく事実で、全て皆様のおかげです。今回の穏やかな条件で調製した培養上清からどれだけNiビーズでモノが精製できるかはまだわかりませんが、またそれはそれで問題を解決していこうと思います。

おお先生、mon先生、Spring-8先生その他多くの先生方には心よりお礼を申し上げます。
また今DNase処理でも不十分であれば、教えていただいた組替え核酸処理酵素の購入を考えてみようと思います。(ソニケーションが怖いです)

ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.6907-19 - 2018/05/12 (土) 09:59:41 - mon
HisTag精製する場合は、リン酸塩+NaClは加えることもあります。
菌体沈殿をTBS(PBS)でWashx1回し、溶解液に懸濁し氷上でインキュベートするだけです。場合によっては、2回抽出します。
Lysozymeも使わないですね。余分なものが出てくるだけなので。。ただし5L培養程度のスケールでは考慮します。
BenzonaseやPotease Inhibitorは使うことも多いです。
SDS-PAGEで問題となる核酸を分解するためにBenzonaseを使います。

(無題) 削除/引用
No.6907-18 - 2018/05/12 (土) 08:00:37 - ぽん佐
mon先生、ありがとうございます。

>CelLytic B:1% (w/v) octyl-β-D-thioglucopyranoside, 40 mM Tris HCl(pH 8.0).

ライソザイムや塩は加えていないんですね...mon先生はおお先生同様プロだと思いますので、これでいいんだ....私は何も知らないんだな、と思わさせれました。この界面活性剤はありますね。ただ、ライソザイムを加えないとなると、ソニケーションはガンガンにされてると推察しますが、そうしないといけませんよね?

>無理に可溶化?しても良いことない(結局精製できない)ので、

こういうプロの意見を聞いて安心しました。
やはり無理やりペレットをこれでもかと小さくなるまで超音波処理する自分の方法は、方法論として相応しくないんだなと理解しました。

トピックを立てて本当によかったです。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.6907-17 - 2018/05/12 (土) 07:56:29 - mon
私は以下で可溶性画分と不溶性画分に分けています。
CelLytic B:1% (w/v) octyl-β-D-thioglucopyranoside, 40 mM Tris HCl(pH 8.0).
タンパクによって、1% TritonX100に置き換える(添加する)こともありますが、無理に可溶化?しても良いことない(結局精製できない)ので、これで不溶なら6M GaunidineHClかな。

(無題) 削除/引用
No.6907-16 - 2018/05/12 (土) 05:29:57 - ぽん佐
おお先生、重ねてお礼申し上げます。

> 蛋白の溶出が目的の場合もありますし核酸の剪断が目的の場合もあります。

前者も含むのですね。ありがとうございます。

> ペレットが多いのは不溶性のタンパク質が多く存在しているだけのような気がしますけど、、、

少し、はっとしました。。もしかしたらリゾチーム+1%TritonX100+DNaseで可溶化は十分で、私は不溶性のタンパク質をガンガン抽出するために時間とソニケーションをかけていたのかもしれませんね...

おお先生や他の方からもいただいた、リゾチームでバクテリアが破砕されないとは考え難い、というコメントに、もしかしたら私は余計なことをしていたのでは...と思わずにはいられません。。。

ということは、少なくとも大腸菌には、

1. リゾチーム+1%TritonX100+DNaseで可溶化される分画

2. 上記にソニケーションをガンガンとかけ、それで漸く抽出されてくる分画

3. 最終的にそれでも不溶性なものを、封入体と定義

の3つがあるということでしょうか。
一度、サンプルをコレクションしていき、ソニケーションが不要なのか、そもそも1の分画で十分なのかにつき、検討していきたいと思います。おお先生、ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.6907-15 - 2018/05/12 (土) 05:20:33 - おお

>ひょっとしておお先生にとって、ソニケーションの意義とはなんでしょうか?ひょっとして核酸の剪断が目的ですか?ですか?

蛋白の溶出が目的の場合もありますし核酸の剪断が目的の場合もあります。DNaseを使わない溶菌では溶液の粘性が顕著でありゲルに吸着させるのにあつかえるような状態ではありませんので。

ペレットが多いのは不溶性のタンパク質が多く存在しているだけのような気がしますけど、、、

(無題) 削除/引用
No.6907-14 - 2018/05/12 (土) 04:50:29 - ぽん佐
おお先生、重ねてありがとうございます。

200mlの容器に大腸菌ペレットと、40mlの以下溶解バッファー(トリス塩ベースのバッファーにリゾチーム、DNase)を入れて、そのボトルをアイスバケツに差し込み、メンブレンを洗うシェイカーの上に乗せ、30分ほど震盪させています。4度です。

その後、遠心するとがっつりペレットが生じ、上清は澄んでいます。色はやや黄色の上清です。

これでいつも「ああ、またリゾチームによる溶解がうまくいっていないんだ...」と解釈し、Triton X100を加え、そこから30秒間x2セットの超音波処理をします。その後再度遠心し、ペレットの大きさを前回のと比べ、ペレットが小さくなっており、かつ上清ががっつり濁り出すというのがいつものパターンです。

これを何度か繰り返し、ペレットがこれ以上小さくならないな(残ったものは封入体だろうな)と思ったら上清を新しい50mlチューブに移し、精製にとりかかるということをしています。

> リゾチウムで溶菌できないとは思えないのですが、リゾチウム入れるとどうなりますか?多分溶液がどろどろしてくると思うのですが(大腸菌のDNAがでてきて)、それはDNaseで解消できます。そうなればソニケーションはいらないですよね。

おお先生にとって、ソニケーションの意義とはなんでしょうか?
ひょっとして核酸の剪断が目的ですか?私のように大腸菌の溶菌が目的ではない、というように見受けられます。とすると、やはり私の溶菌バッファーがかなりへたっている、とも考えられますね...

リゾチームは毎回新しいものを粉末から調製しています...

> エンザイムのデタージェントによる影響を考えるなら、リゾチウムとDNaseで先に処理してTritonを加えたほうがいいのかなぁと個人的には思います。

おお先生のお示しいただいた順番は、GEのサイトに書かれてあることと一緒です。
ということは、界面活性剤で菌体の外膜を壊さなくとも、リゾチームはきちんと働くことができるということですよね...

私の何がいけないんでしょうか...

(無題) 削除/引用
No.6907-13 - 2018/05/12 (土) 04:37:31 - おお
私は同時に入れても大丈夫だと思っています。リゾチウムで溶菌できないとは思えないのですが、リゾチウム入れるとどうなりますか?多分溶液がどろどろしてくると思うのですが(大腸菌のDNAがでてきて)、それはDNaseで解消できます。そうなればソニケーションはいらないですよね。

エンザイムのデタージェントによる影響を考えるなら、リゾチウムとDNaseで先に処理してTritonを加えたほうがいいのかなぁと個人的には思います。

(無題) 削除/引用
No.6907-12 - 2018/05/12 (土) 04:01:49 - ポン佐
おお先生、朝早くからおつかれさまです。
ありがとうございます。私も先程起きたところでして、これからラボに向かう支度をするところです。

昨日は立て込んでしまい溶菌できませんでしたが、今日これから行いたいと思います。

ソニケーションでライソザイムやDNaseは壊れてしまう可能性もありますよね。
なのでソニケーションを使う場合にはトリス、塩ベースのバッファーに、まずTritonX100を入れ、まず外膜を溶かしておいて、そこへ、リゾチーム、DNaseを加えて穏やかに振盪、4度で30分から1時間ほど、の方が理にかなっていると考えますが、おお先生はどうお考えになられますか?もしよろしければまたお考えをお聞かせ願えますと幸いです。

なにからなにまで聞いてしまい、すみません。

(無題) 削除/引用
No.6907-11 - 2018/05/12 (土) 03:53:20 - おお
>4. 誘導を6時間など長い場合には、タンパク質が大腸菌内でアグリやすい等はありえますでしょうか?

これに答えてませんでした。

短時間のほうがアグリゲーション(Inclusion body)がDevelopしてないので可溶画分に回収されやすいという考え方はあります。実際の経験ではあまりドラスティックな変化はないことがたいていです。

(無題) 削除/引用
No.6907-10 - 2018/05/12 (土) 01:43:33 - ぽん佐
toto先生、たくさんのコメントをいただけて大変心強いです。

> 室温で30分振ると可溶化されてきたというのが、逆に気になります。TX100による可溶化はそれほど時間がかかるものではないはずです。むしろ、プロテアーゼでHisタグのところで切られたのでは、という気もしますが、その点はHis抗体などで確認されましたでしょうか?

ヒス、GSTともに抗体(ウエスタン)で確認しておりまして、99%ほどGSHもしくはニッケルのフロースルー画分に来ています。なのでタグが切断されているということはないようです。

> 活性型が少量できているということなので、フォールディングの問題と思えますので、他の方が書かれておられるような温度を下げることが有効ですし、培養液に.0.2Mアルギニンを加えることも有効なこともあります。SoluBL21でどうかは知りませんが、シャペロンを増加させるような3%エタノールなどの培地添加も効くことはあります。

3%エタノールは私も試しましたが、可溶性画分が増加すると言うことはありませんでした。培養液にもアルギニンを加えるんですね...それは知りませんでした。一度スモールスケールで検討してみます。

> ただ、最近では段々無精になり、分子ごとに条件を変えるのも手間だし吸光度を測るのも面倒になってきたので、以前、ここで出てきたautoinducible medium(ネットに組成があったので)を使って、コロニーを直接入れて、30度で一晩増やして、そのまま20度に下げて2日間振っています。相当乱暴に聞こえますが、大抵の蛋白はこれで十分に取れますし(結晶化できるくらいかどうかは知りません)、これで取れないものは他に何をやってもたいした効果ないので、そのときは配列を変えます。カラムにかけるまでは超音波処理だけ強烈にやってあとは最短の時間で抽出してます。

autoinducible mediumはここでも何度も出てきていますよね。レシピの試薬が珍しいものばかりだったので、挑戦しておりませんが、考えてみます。ただ、私の条件でも可溶性画分(といいますか、封入体にいかなかった分)は結構採れていますので、問題はその抽出工程でのタンパク質の不活化ですね...


私の溶菌プロトコルはGEのサイトを参考にしています。
50mMトリス、150mM塩、リゾチームで4度、30分処理後に、トリトンX100を加えて更に4度、20分処理です。

ただこれでは全く溶菌せず、ここへソニケーションを加えることで溶菌させています。

ただ、BL21はグラム陰性菌ですよね。
toto先生のご指摘を見て思ったのですが、陰性菌ならば、リゾチームより先に、トリトンX100を加えてまず外膜を溶かす必要があるのでは?でないと細胞壁を処理するリゾチームがアクセスできないのでは?それがGEのプロトコルでは私が溶菌できない原因なのでは?と思いました。


一度、以下の改良版プロトコルをためしてみます。

50mMトリス、150mM塩(pH8)、1mM PMSF、1%トリトンX100を加え、ソニケーションで冷凍大腸菌ペレットを壊したのち、30分、4度で震盪します。その後にリゾチームを加え、更に30分4度で震盪させてみます。

その後の遠心次第で更にソニケーションを加えるか否かを考えてみようかと思います。
いかが思われますでしょうか?

autoinducible medium、レシピに必要な試薬にいくらかかるか調べてみます。
ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.6907-9 - 2018/05/12 (土) 00:54:08 - toto
室温で30分振ると可溶化されてきたというのが、逆に気になります。TX100による可溶化はそれほど時間がかかるものではないはずです。むしろ、プロテアーゼでHisタグのところで切られたのでは、という気もしますが、その点はHis抗体などで確認されましたでしょうか?
活性型が少量できているということなので、フォールディングの問題と思えますので、他の方が書かれておられるような温度を下げることが有効ですし、培養液に.0.2Mアルギニンを加えることも有効なこともあります。SoluBL21でどうかは知りませんが、シャペロンを増加させるような3%エタノールなどの培地添加も効くことはあります。
ただ、最近では段々無精になり、分子ごとに条件を変えるのも手間だし吸光度を測るのも面倒になってきたので、以前、ここで出てきたautoinducible medium(ネットに組成があったので)を使って、コロニーを直接入れて、30度で一晩増やして、そのまま20度に下げて2日間振っています。相当乱暴に聞こえますが、大抵の蛋白はこれで十分に取れますし(結晶化できるくらいかどうかは知りません)、これで取れないものは他に何をやってもたいした効果ないので、そのときは配列を変えます。カラムにかけるまでは超音波処理だけ強烈にやってあとは最短の時間で抽出してます。

(無題) 削除/引用
No.6907-8 - 2018/05/12 (土) 00:47:37 - ぽん佐
Winter-8先生、

> タンパク質がアグリやすい(凝集しやすい・変性しやすいなども含む)などの原因の一つに温度条件があります。変性しやすいタンパク質は低温が鉄則です。
> >1. 上記可溶化条件でタンパク質がアグってしまいますでしょうか?
> そう思います。ソニケーションをしっかりやって、短時間で溶菌することをおすすめします。

鉄則、そう思います、というお言葉を聞けてとても参考になりました。
やはり低温でだめなら、室温で溶菌、というのはルールから外れているのですね。
やるべきではないですね。そして、ソニケーションをしっかりやる、とお聞きできてよかったです。
まずしっかり氷上を厳密に守り、溶菌させようと思います。

> 2. 結晶化のプロ〜
> 私も結晶化のプロですが、最初の溶菌のときにTritonを加えることには抵抗はありません。精製用のバッファーには使いません。結晶化におけるTriton X-100の最大の問題点は分子量の不均一性です。結晶化にはなるべく均一な溶媒条件が望ましいからです。ただし、例外もあります。

なるほど...Tritonは加えることに疑いはないのですね。プロの方にお聞きできて本当によかったです。
結晶化の時点で問題になるのですね。

> 3. 1mM程度DTTを加えることもありますが必須ではないと思います。ジスルフィド結合が重要であれば、やめておく。DTTを加えるかどうかだけなので、実際に実験してみては?

そうですね。ぜひDTT有無で検討してみます。ただ、最初にニッケル精製しますので、まずはそちらで頑張ってみます。


> 6時間が長いかどうかは人によりますが、私は誘導時間の長さとアグリやすさはほとんど関係無いと思います。温度やIPTG濃度など、他に考慮すべきファクターの方が大きいように思います。

時間は関係ないのですね。。そうなんだ...
温度は30度で行いました。25度では少なくとも3時間ほどでは誘導されませんでした。IPTGは0.4mMほどで行っていますが、スモールスケールで検討した際、0.1mMでも誘導されていました。ただラージスケールに移した際、全く誘導されなかったので0.4mMまであげています。

> 5. おおさんと同様です。Hisの方がワークしやすいので。

やはりGSTを先というのは違うのですね、ありがとうございます。

タンパク質精製は素人ながらここでお聞きしたりGEのサイトを見たり論文を読んだりして少しずつですが、学んでいます。本当にありがとうございます。

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