SDSを除去するのは実際のところなかなか容易でないですが、SDSの変性作用を抑えるのは、比較的高濃度のNP40やTriton Xがよく使われます。最終濃度として少なくともSDS濃度の10倍くらいは必要と聞いています。抗体がIP可能でちゃんとしたものであれば、実際それくらいで多くの場合IPに成功しています。なのでたとえば1%SDSを含む試料ならば、容積比でその10倍の液量かそれ以上の液量の、1%Triton X 100を含むbufferで希釈することになります。もちろんケースバイケースなので、ある程度条件をふってみる必要もあるでしょう。場合によってはSDS濃度が0.05%くらいになるようにもう少し希釈した方がいいかもしれません。
ひとつ問題として、希釈してSDS濃度を下げた時に溶けていた蛋白質が徐々に不溶化して沈殿してしまうことがありました。もともと難溶性でSDSでようやく可溶化できたような蛋白質の場合は注意が必要かもしれません。 |
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