溶けにくい蛋白質を可溶化するために使われる界面活性剤にはいろいろなものがありますが、蛋白質を可溶化する力はかなり差異があります。一般にNP-40やTriton X100などの非イオン性界面活性剤は,SDSやデオキシコール酸ナトリウムのようなイオン性界面活性剤と比べると蛋白質の可溶化能は劣ります。SDSは界面活性剤のなかでもとりわけ可溶化能が高く、他の界面活性剤よりも、より多様な蛋白質を可溶化する事が期待出来ます。あなたの見ている結果はNP-40では可溶化出来なかった蛋白質がSDSでは可溶化出来たという事です。とにかく出来る限り多種類の蛋白質をより多く得たいならばSDSを使うことでもよいと思います。一方で、微量蛋白質などでは抽出液の中の蛋白質の種類や量が増えると相対的に存在比は検出限界以下まで下がる恐れもあり得るので、もしNP40で目指すものが十分に可溶化抽出出来ているならばあえてここでSDSを使う必要なないかも知れません。この辺はケースバイケースなので、どのようなアプローチがより適切かは、あなたの目指す蛋白質や研究目的次第という事になります。 |
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